ガキ大将大鳥圭介2
 当時芝居が流行して春秋の2季には旅役者を呼んで各村で村芝居を興行する例であった。
 谷陰の雪が解け青い草がモヤモヤと萌え出して来る4月頃、又は稲は黄色く熟してトンボが澄み切ったきれいな空を幾群れとなく舞って歩く小春の日和に人の心が何となく浮きだって家の中にジッとして引っ込んでおられぬ時であるから村の青年即ち若い衆はこの村芝居を無上の楽しみとしていた。
 村芝居が自分の村の番になると村の若い衆は総出で次の村まで芝居の荷物を取りに行くのであるが彼はこれを面白がって何時でも父に請うて若い衆の音頭取りとなって出かけた。
 
 

  


資料提供 HP天下大変様、貴重な資料
『神戸又新日報明治35年』をいつもありがとうございます。                                       
絵圭介漫画より              次回につづく