大鳥圭介、外国でダム、石油と次々調査をして報告書を出す。       11月の続き
 その頃の地質学と石油の関係について、「近年石油採掘に地質学が取り入れられ、坑井内からの岩層(カッティング)を調べて、油層の深度や石油の有無を判定するようになったものの、未だ地表の地質から掘削位置を決めるまでには至っていない。しかし最近になって地質学と経験から油層の延びる方向を明らかにすることで彩油井の成功率は20分の1から8分の5に向上した。」
 削井法については、櫓や掘削機械の寸法と作業内容を微に入り細にわたって書いているほか、バッカーについての次の一文は興味深い。「油層を水槽から遮断する為に種袋(バッカー)を使用すべし。チューピングの周りに革で作った種袋を巻き、その中に亜麻仁(あまじ)(麻の実)を詰め込み適当な深度に設置すると、麻の実は水を吸って膨張しバッカーの役目をなす・・・。」
 また生産井の減産理由を述べるとともに、「いろいろ試みても増産効果がないときは、油層部分で地雷火(ダイナマイト)を爆破させると、従来5樽だった生産量が70〜100樽になった例もある・・・」と書いている。                              来月に続く 
『石油の開発と備蓄96・12』お雇い外国人ライマンと、むかし日本の石油開発(2) 岩佐三郎
 第2章 明治時代「前期」の石油 より抜粋
資料提供者 アジア未開地を調査している若き才女HP「天下大変」中川様より